2021.10.07
驚きの旨さ!伝統の波切節の『かつおの天ぱく』
みなさん、こんにちは!
リージョナルキャリア三重の三田 佳奈子です。
鰹節と言えば、「鰹パック」のような削られてパッケージに入ったものを思い浮かべる方が
多いと思いますが、削られる前の鰹節を見たことはありますか?
地域にもよると思いますが、昭和40~50年代にはまだ各家庭に鰹節削り器があり、鰹節を
削っていたのではないでしょうか。
三重県では志摩市大王町波切(なきり)が鰹節の産地として地元では有名です。
全国的にも有名だと思っていましたが、現在では、鰹節の約70%は枕崎、指宿などを中心とする
鹿児島県、2位の静岡県(焼津など)を加えると全国の鰹節の約99%がこの2県で生産されている
そうです。
波切は、以前は枕崎や焼津と肩を並べる鰹節の一大産地でしたが、御木本幸吉が真珠養殖を発明し、
多くの鰹節生産者が真珠養殖に鞍替えしたので、それ以前は100軒以上あった鰹節生産者が今は
3軒しかないそうです。
先日、ご縁があって三重県志摩市大王町波切で伝統的な波切節の生産を続けている『かつおの天ぱく』さん
の鰹燻し小屋を見せて頂きました。
『かつおの天ぱく』さんのある志摩市大王町波切は、鰹節と波切の灯台で有名です。
雄大な太平洋に迫り出した志摩半島のリアス式海岸の突端にそびえ立つ灯台の姿に魅了されました。
灯台から海岸沿いを歩いていくと、実際に『かつおの天ぱく』さんの燻し小屋が見えてきます。
入口を入ると、築100年の建物があります。
写真左側は、以前は住居として使われていた母屋、右側が鰹燻し小屋です。
鰹燻し小屋には、このようにせいろが積んであります。
このせいろの中に鰹なまりぶしを入れて、繰り返しいぶして鰹節に仕上げます。
せいろには、志摩郡波切町と書かれており、その後志摩郡大王町波切、そして現在の
志摩市大王町波切と変遷していますので、この表記にも歴史を感じます。
今は、自宅に鰹節削り器のない家庭がほとんどですので、『かつおの天ぱく』さんの商品も
用途に合わせた削り節ですが、鰹節そのものや、鰹節削り器も販売しています。
現在も伝統の波切節の生産を守り続けている『かつおの天ぱく』さんの鰹燻し工場と波切の
灯台をぜひ訪ねてみてください。