企業TOPインタビュー

創業125年の伝統と進取の気質。不易流行を地で行く菓と食の匠。

井村屋グループ株式会社
代表取締役社長(COO) 大西 安樹

更新日:2023年7月26日

三重県伊勢市出身。1982年井村屋製菓株式会社(現:井村屋グループ株式会社)入社。経営企画統括部長、IMURAYA USA, INC. CEO/COO、IMURAYA MALAYSIA SDN. BHD.代表取締役社長などを経て、2023年4月より現職。IMURAYA MALAYSIA SDN. BHD.代表取締役会長、井村屋スタートアッププランニング株式会社代表取締役社長を兼務。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

創業125年、設立75周年を超えて新たなスタートへ。

当社は2022年度に創業125周年、会社設立75周年を迎えました。そして、2023年度は新・中期3ヶ年経営計画「Be Resilient 2023」の最終年度です。3ヶ年計画の定性的な目標に関してはより長期スパンで達成を目指す項目もあるものの、数値目標としては3ヶ年計画の3年目が計画通り進捗しています。

次の中期計画については、未だプロジェクトチームが発足したばかりでお話しできることはありませんが、より長期的な視点でバックキャスティングの考え方で作成したいと思っています。

三重県発祥、日本の井村屋。

当社では「Kの字経営」を掲げています。Kの字の右上がりの斜め線は売上(トップライン)の増加を意味しており、そのキーワードは「新(New)」です。当社の商品が日本の隅々まで浸透しきっているわけではありませんので、新商品で新規顧客を開拓することが必要だと考えています。

例えば、同じ商品でも業務用に改良することで市場や顧客を開拓できますし、長期保存可能な「ロングライフ豆腐」の賞味期限を180日に伸ばしたことで開拓できる新市場もあるわけです。このように、新商品が売場から新しい市場を開拓することを当社では「場からマーケティング」と呼んで、市場拡大を図っています。

「新」については、井村屋スタートアッププランニング株式会社も担っています。同社は、マレーシア現地法人への出資と同社のサポート以外に、国内での新しいシーズの創出・事業化というミッションがあります。どのようなシーズがあるかはお話しできませんが、今後にぜひご期待いただきたいところです。

国内では、当社発祥の地である三重県で特別な活動をしています。地産他消を掲げ、三重県産大豆で豆腐を製造したり、2021年にオープンした日本最大級の商業リゾート施設「VISON(三重県多気町)」にある酒蔵では、地元産の酒米、酵母、硬水を使用し、テロワール(生産品目を取り巻く自然環境要因)に根差した日本酒造りをしています。

アメリカ・中国・マレーシアに展開する世界のIMURAYA。

海外進出に関して、「日本の人口が減少しているからそれを補完することが目的ですか?」とよく尋ねられますが、必ずしもそうではありません。海外進出の最大の目的は、日本で培った技術と経験を活かし、進出した国にベネフィットを提供し、その国に貢献することです。

海外売上高はその結果に過ぎません。現在は、中国、アメリカの拠点に続き、ASEANのゲートウェイとしてマレーシアに進出しています。次から次へと海外商圏を拡大するのではなく、現在、進出している国にしっかり貢献することを優先したいと考えています。

社内のダイバーシティを進化させるキャリア採用。

最近はキャリア採用者も多いのですが、その方々が当社にダイバーシティをもたらしてくれています。

最近は性別・人種・国籍などのダイバーシティという言葉が独り歩きしているように感じるのですが、そもそもダイバーシティとは従来の価値観に新しい価値観を加えてイノベーションを起こすために必要なのだと考えています。そういった意味では、キャリア採用者によって当社のダイバーシティが進み、各所でイノベーションが起こっていると感じます。

例えばシステム部門では、当社はコロナ前からWeb会議サービスを採用していたのでコロナ禍のオンライン環境への適応もスムーズでしたが、そこにキャリア採用者が新しい技術や知識を持ち込んでくれたので、Kの字経営の右下がりの斜め線が意味するコストイノベーションの中核をなすDXがかなり進みました。管理部門や技術系、営業系でも同様の進化が見られ、喜ばしい限りです。

人材の人財化。

「Kの字経営」の縦軸は「人材の人財化」を意味します。当社の創業時の社是は「人こそ我が宝、商品こそ我が命」です。それほどに創業以来「人」を経営の真ん中に置いてきました。

私は人財とは日本昔話の金太郎と桃太郎の融合であると考えています。ベースとして、昔話ではないですが金太郎飴のように全社的に共通する理念や社風、考え方があり、その基礎の上に、サル、イヌ、キジという異なるタレントを従えた桃太郎のように、部門や階層に応じた異なる能力を持っているのが人財です。

そのような人財になってもらうために、社内研修として、階層別研修、機能別研修と、システム思考をテーマとする思考研修という3つのカテゴリーを設けています。思考研修が全社共通の金太郎、階層別と機能別が桃太郎という棲み分けです。社員のポテンシャルの高さもあり、頼もしい人財が増えていることを嬉しく感じています。

「倦まず、弛まず、積極果敢」に歩み続ける井村屋グループ。

企業には、ゴーイングコンサーン(継続企業の前提)があり、利害関係者の多い上場企業の場合はなおさら継続することが重要です。そして企業の存在意義は社員をはじめ関わる人たちを幸福にすることです。

ステークホルダーからは成長を求められますし、社員の成長のためにも企業としての成長は必要ですので、目標または手段として成長は掲げます。しかし、それはあくまで手段であって目的ではない。 縁あって社長となり経営のバトンを受けたからには、このバトンを次の世代に良い形で渡すのが私に課せられたミッションです。そのためにも、手段と目的をはき違えてはいけないと自分に言い聞かせています。

現在当社で働いてくれている社員にも、これから当社に入社してくれる人たちにも、働いて幸せになってほしい。当社に興味を持ってくれた方は、当社で持てる力をいかんなく発揮していただければと思います。未来の井村屋グループを支えてくれる方との新しいご縁をお待ちしています。

編集後記

コンサルタント
三田 泰久

三重県を代表する企業である井村屋グループに経営TOPインタビューにご登場いただくことがかねてからの念願であっただけに、この取材は感無量でした。社長就任後初の株主総会直後にインタビューの時間を割いていただき、感謝しています。

肉まん、あんまん、あずきバー、アンナミラーズなどで全国的にも有名な井村屋の、海外での活動や、一方で足元の三重県での活動も伺え、ますますファンになりました。

私たち三重県民が誇る井村屋が、全国で、そして世界で活躍されることをこれからも微力ながら応援させていただきます。

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