2022.10.21
次の100年へ~後継者を求める老舗飲食グループ・有限会社大黒屋(三重県多気郡)
皆さん、こんにちは。リージョナルキャリア三重のコンサルタント、三田です。
今回は、飲食業で独立して規模を大きくしたいと思っている方や、既に飲食業を手掛けていて多店舗展開を目指している方に耳よりな会社の情報をご紹介します。
創業100年の老舗、有限会社大黒屋
■大黒屋 三瀬谷本店(以下、写真はすべて筆者撮影です)
今回ご紹介するのは、三重県多気郡大台町のJR三瀬谷駅前に本店を持つ大正12年創業の老舗飲食店「大黒屋」の運営母体である有限会社大黒屋です。
同社は「大黒屋」ブランドで松阪市内に1店舗、津市内に3店舗の合計5店舗を展開するほか、津市にフレンチの「グランノアール」、また津市と明和町にカフェ業態の「オリーブカフェ」と、合計8店舗を経営する飲食グループです。
グループの中核である大黒屋は、特別な日にしか行かないという格式ばった店ではなく、地元では家族で大黒屋に食事に行くとなると子どもからおじいちゃん・おばあちゃんまでみんなのテンションが上がる、そんなお店です。
大躍進を支える4代目社長
■4代目社長 北村健氏
大黒屋をここまでの規模にしたのは、現社長の4代目・北村健氏。大黒屋がJR三瀬谷駅前で開業して、1989年に北村氏が入社して取締役に就任するまでは1店舗でした。
北村氏は、高校卒業後、料理学校2校(東の雄「服部栄養専門学校」と西の雄「辻調理専門学校」)に入学。2校に通うだけでも珍しいですが、それが業界の東西トップというのはかなりレアです。その2校を卒業後、三重県内のホテルで修業し、家業に戻りました。
そして、2001年に4代目社長に就任してから同社の大躍進が始まります。本店以外の現在の店舗はすべて北村氏が社長になった後に出店したものです。
現在の業態以外にも、とり焼肉、ラーメン、伊勢うどんなどの飲食業態にも挑戦しました。しかも場所は三重県ばかりではなく、東京でもチャレンジしています。飲食関連で温泉旅館の調理業務委託を受けたり、行政所有の集客交流施設の運営を指定管理で受けていたこともあります。
さらに以前は飲食以外にも進出し、ネット販売の草創期におけるECショップの運営や賃貸マンションの運営などもしていました。
ただ、必ずしもすべてが成功しているわけではなく、現在は閉店したお店や残っていない業態もあります。やることなすことすべて上手く行くことはなく、ユニクロの柳井さんでも「1勝9敗」という書籍を出しているくらいです。
北村氏は勝率5割程度ですから、かなり高い勝率だと言えますね。
■フレンチ『グランノアール』
「次の100年」に向けた後継者探し
同社は現在、後継者候補を探しています。
北村氏のご家族や社員の中にも後継者候補が不在とのこと。そうなると今流行りのM&Aということになりますが、実は北村氏はまだ55歳であり、後継者問題を考えるには早い年齢です。とはいえ自分の身体が動かなくなってからだと遅いから、と早めに動いています。
時間的な余裕はあるため、今から後継者候補を探して、育てて、それからバトンタッチしようというお考えがあるのですが、これまでサラリーマンをしてきた方が、育成期間があるとはいえ、8店舗の飲食グループを率いる社長になるのも簡単なことではないでしょう。
そういう人が出てこないことも想定し、別のパターンも考えています。それは、現在飲食店を経営している方が、後継者含みで店ごとグループに加わり、育成期間兼引継ぎ期間を経て後継社長になるというプランです。
サラリーマンから後継者になるケースも、オーナー店長から後継者になるケースも、少しでも興味を持たれた方は一度、北村氏を直接訪ねてみてください。
飲食業界一筋でここまでの規模にしてこられた方ですので、特に現在飲食店のオーナー店長をしておられる方は、参考になるお話をたくさん聞けるのではないかと思います。
■取材中の北村社長
ご自身で、あるいは友人知人でこの企業グループの後継者に興味を持つかもという方がおられたら、ぜひこの記事をシェアしてください。
外部からの後継者にせよ、あるいはご家族や従業員の方が"その気に"という結果にせよ、大黒屋が良い形で5代目にバトンタッチされることを心からお祈りします。
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