転職成功者インタビュー

石原産業株式会社
藤原悠太さん(仮名・社内SE) 38歳

SEとして、家庭人として、このままでいいのか。38歳の決断が、やりがいと幸せをもたらした。

三重県桑名市生まれのSE、藤原さんは専門学校を卒業後、名古屋のシステム開発会社に勤めていた。やりがいのある仕事と人間関係に恵まれ、やがて責任ある仕事も任された。結婚して地元の桑名に家も建て、多忙な毎日は充実の証だと思っていた。しかし40歳を前にして立ち止まる。このままでいいのか。仕事も、家庭も。悩み、考えた末に出した答えが「転職」。38歳にして初めての転職活動に踏み切ったのはなぜか。その決断によって何を手に入れたのか。転職から2年が経とうとしている藤原さんに聞いた。(※本記事の内容は、2018年5月取材時点の情報に基づき構成しています)

転職回数
1回
転職期間
エントリーから内定まで48日間

転職前

業種
ソフトウェア開発
職種
SE
業務内容
顧客先に常駐してのシステム運用・保守、請負システム開発のプロジェクトリーダー

転職後

業種
化学メーカー
職種
社内SE
業務内容
各種社内システムの運用管理、新システムの立ち上げ

もう一度、ユーザーと一緒にシステムを作り上げていく仕事がしたい。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

石原産業は大阪に本社を置く化学メーカーですが、私はその主力生産拠点である四日市工場の社内SEとして採用になりました。工場の各部署の操業データ管理システムや品質管理システムを扱っています。

入社前のご経歴を教えてください。

三重県桑名市の出身で、名古屋の専門学校を卒業後、そのまま名古屋のソフトウェア開発会社に就職しました。製造業のお客様が多く、入社して約12年は、三重県にある客先の工場に常駐し、社内SEのような立場でシステムの保守・運用に従事しました。同じ会社から派遣されていた上司や先輩は厳しいながらもいい方たちで、そこで働いた12年間でSEとして鍛えてもらい、リーダーも務めました。その後は名古屋本社に戻り、顧客のシステムを社内で開発し、客先でテストして納品するという仕事に携わりました。3カ月から半年くらいの短い納期に追われ、休日出勤や終電までの残業も珍しくない日々を5~6年過ごした後、東京に転勤。そこで再び客先に常駐する仕事に戻りました。

転職のきっかけは?

某市役所と一緒に仕事をする機会があり、その際にシステムを使っているお客様と直接会話しながら仕事をすることの楽しさを久々に思い出したのです。最初の12年がそうでした。直接お客様と会話をして、自分の作ったシステムが現場で動いているのを見られる。要望に応え、フィードバックも直接来る。そこにやりがいを感じていました。若い時は「SEなのだからいろいろなお客様を見たい」という思いがあり、リーダーを務めたら早く本社に帰りたいと考えていたのですが、請負システム開発のプロジェクトリーダーを経験し、またエンドユーザーと一緒に仕事をする機会を得た時に、ふと考えました。自社内でシステム開発する仕事と、お客様のそばで社内SEとして仕事をするのと、自分にとってどちらがいいのかと。40歳を前にしていたこともあり、悩みました。それともう一つは、家族への思いです。結婚した後に桑名に家を建て、名古屋へもそこから通っていたのですが、東京へ単身赴任している間に妻が体調を崩し、同時に娘も体調を崩してしまったことがありました。自分は帰ることができず、何もできなかった。名古屋勤務の時期も、仕事を理由に家のことは妻に任せきりでした。若い頃は「仕事がうまくいかないと家族を幸せにできない」と思っていたのですが、それは違うなと気づいてしまった。それで、地元の桑名から車で通える所で働こうと、38歳の時に就職活動に踏み切りました。

転職活動はどのように進めましたか?

転職サイトに登録し、生産管理システムの運用保守や、工場での社内SEなどをキーワードにして探しました。ただ、三重県、それも家から通える範囲で探すのは簡単ではありませんでした。名古屋なら選択肢は大幅に増えるのですが。それでも私は地元で働くと決めていたので、辛抱強く探し続けていた時に、偶然見つけたのが今の会社です。生産管理業務で新しいシステム関連の部署を立ち上げるにあたり、人員を募集していたので、すぐに応募しました。その採用の窓口になっていたのがリージョナルキャリア三重で、すぐにコンタクトがあって担当のコンサルタントと面談。そこで、「石原産業の方にぜひ会ってほしい」と、面接に至りました。三次面接までありましたが、一次面接からざっくばらんな雰囲気で話しやすく、自分の経歴や思いなど、全部話すことができました、二次は大阪本社で情報システム部門のメンバーと面接。「入社したらこういう案件をやってもらうと思いますがどうですか」「今後こういうことも覚えてほしいのですがどうですか」といった、具体的な仕事の話をしました。そして工場長との三次面接を経て、採用が決まりました。

今の会社に決めたポイントは?

面接でお会いした人たちの人柄に魅かれたことが大きかったです。とても話しやすくて、会社の社風というのは社員の人柄に出るものだなと思いました。今後、システムを置き換えるという大きなミッションがあると聞き、ぜひ頑張りたいという気持ちでした。

平日の夜、家族と食卓を囲む。あたりまえの幸せが嬉しい。

転職していかがですか?

最初は緊張してかしこまっていたところもありましたが、1年もすると十分に打ち解けることができました。予定どおり、新しく立ち上げるシステムに携わり、1年目の山を無事に乗り越えて、今はちょうど2年目の山を迎えています。化学メーカーのシステムを手がけるのは初めての経験で、それもやりがいの一つになっています。製造工程を理解するのに結構苦労しましたが、それも含めて面白い。新しいことに挑戦しているという感覚があって、大きなやりがいがいを感じますね。

転職して良かったと思うことは?

自分の作った仕組みが現場で動いていて、それを使っているユーザーが目の前にいることの喜びと、ワークライフバランスを取り戻せた嬉しさですね。普通のことなのですが、家族と夕食を食べている時に「ああ、こんな日が来たんだなあ」としみじみ感じます。以前も土日が休みの時は一緒に食べていましたが、また月曜になったら大変な作業が待っていると思うと、殺伐とした気持ちで食事をしていたのを覚えています。今は「家族と一緒にこんなにゆったりとご飯が食べられるんだな」と思う。ごくあたりまえの幸せなのですが(笑)。

困っていることや課題はありますか?

困っていることは特にないですが、課題はあります。今、世の中がIoT活用の流れになっていますが、当社はまだIoTのシステムに追いついていないのが現状です。私が入社して1年目でようやくその基盤を立ち上げ、今も基盤づくりが続いています。今後3年目以降はIoTを活用した具体的な業務改革に入っていきますし、今話題のAIについても少しずつ勉強を始めなければならないと思っています。5年後には本社の基幹システムの再構築があるので、その課題を乗り越えるために本社のシステム部門とも連携しながら頑張っている状況です。

生活面の変化はありましたか?

世の中の流れでもあると思いますが、残業に対する考え方が前職とは全く違う職場なので、自分の感覚を合わせるのに時間がかかりました(笑)。前職では「いかに残業をして納期を守るか」でしたが、今は「いかに定時内で仕事を終わらせるか」。1~2時間の残業でも、続くと「大丈夫か?」と心配されてしまいます。22時までの残業など普通、という自分の感覚はちょっとおかしいのだなということに気づきました。今は残業も土日出勤もほぼなくなったので、平日でも家に帰ってから家族とご飯が食べられますし、土日も普通に家族と過ごせる。ワークライフバランスのとれた暮らしになりました。

転職成功のポイントはどこにあったと思いますか?

これまで自分がやってきたことを全て伝えることができるか、でしょうか。今回の募集の骨子は「システムを能動的に立ち上げられる方」。私はプロジェクトリーダーをしていたので、人を動かして案件を進めるというシステムの上流工程を経験してきました。細かいプログラムの開発よりも、全体を見渡してプロジェクトを進めていく設計の方が得意なのです。また、「ユーザーと会話をしながら仕事を進めていくのが好きで、社内SEとしてのやりがいをもう一度求めたい」という思いを面接で伝えられたこともポイントだったと思います。そこが会社の求めるものとフィットしたからこそ、今、面白さを感じながら仕事ができているのだと思います。私は38歳で転職活動を始めましたが、最初は「採用してもらえるかな」という不安もありました。それでも、ここで何もせずに40歳になったら後悔するだろうと考えて決断しました。実際に転職活動した中では、年齢の壁を感じることはほとんどありませんでしたね。プログラム開発なら若い人の方が求められるのかもしれませんが、そういう募集には応募しませんでしたし。むしろ経験を評価していただいての採用だったと思います。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
清原 和浩

藤原さんとの出会いは、まさにベストタイミングでした。石原産業様から四日市工場内にシステム部門を新設することになり、その立ち上げを担える人材のご依頼をいただいた直後にエントリーをいただきました。初回の面談で、ユーザーからの反応がダイレクトに感じられる社内SEとして働きたいという思いを語っていただいたことは今でも鮮明に覚えています。それと同時に転職でご家族との時間がしっかりとれる働き方も実現したいということでしたので、転職によって、思い描く働き方の実現をお手伝いできたことをうれしく思います。

転職成功者インタビュー一覧

ページトップへ戻る