転職成功者インタビュー

株式会社鈴工
小川誠さん(仮名・フィールドエンジニア) 33歳

家族がいれば収入は大事。でも、それより大事なものもがあるんじゃない?

小川誠さん(仮名)は、大手電動工具メーカーから、出身地である三重県の地場メーカーへの転職を成功させたリージョナルヒーローだ。

製造に関わる仕事に就きたくて、大手メーカーに入社。ところが任されたのは、海外向けの書類を作成するデスクワークだった。収入やポジションは安定していたものの、仕事は、毎日同じことの繰り返し。

「やっぱり、モノ作りの現場で働きたい」。そんな思いとともに、もう一つ、離れて暮らす親への心配も年々膨らんでいた。そして、30歳でUターンを決意。

当初、仕事探しは難航していたものの、友人でもあるコンサルタントに相談してみたところ、急転直下で転職先が決定。現在は、全国や海外の製造現場を飛び回りながら、休日には友人たちと地元のお祭りにも参加する充実した日々を送っている。

「家族を持っていたら収入は大事。でも大事なのは、それだけじゃない」と、小川さんは実感を込めて語ってくれた。

(※本記事の内容は、2014年8月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
2回
活動期間
エントリーから内定まで150日間

転職前

業種
精密機器関連メーカー
職種
申請事務
業務内容
電動工具、園芸製品の海外製品安全、電磁環境試験認可取得対応及び各国法規制の調査業務全般。

転職後

業種
木材加工機械メーカー
職種
フィールドエンジニア
業務内容
当社製作の機械装置と海外の輸入機を現場責任者として客先工場へ据付け、機械装置等のメンテナンス業務全般。

書類作成のデスクワークから、モノづくりの現場へ。

現在のお仕事はどんな内容ですか。

木材の加工機械や搬送ラインを製造販売している会社で、サービスエンジニアをしています。なかでも私が担当しているのは、海外からの輸入製品。日本全国の木材メーカーを飛び回って、機械の据え付けやアフターサービスを行っています。

入社前のご経歴を教えてください。

大手の電動工具メーカーで、製品を海外に販売するにあたっての法令調査や、申請のための書類作りなどを担当していました。その前は、外資の認証機関に勤務。車関係の部品やテレビなどの安全性を確認する仕事をしていました。

転職のきっかけは?

1回目の転職理由は、製造に関わる仕事に就きたかったからです。しかし、実際はずっとデスクワークで、書類を作るだけの毎日でした。自分の手を動かしてモノを作る仕事がしたいという思いが強くなったことが、今回の転職のきっかけです。

もう1つは、両親のことです。自分は長男なので、将来のことを考えると、そろそろ実家に近いところへ生活の拠点を移した方がいいかなと思ったんです。

奥さんにはどのように話したのですか?

どう話そうか迷いました(苦笑)。転職活動を思い立った時には、お腹に子どもがいました。でも、先程お話したような自分の気持ちを素直に伝えたんです。そうすると妻が、「自分がしたいことをすればいいんじゃない」と言ってくれました。正直、すごく嬉しかったです。

転職活動はどのように進めましたか?

まずはインターネットで探しました。最初は車関係のエンジニアを希望していました。しかし、地元の求人は少なかったです。また、求人内容を見ても、仕事の中身や待遇面で物足りなく感じていました。

それで、転職コンサルタントをしている友人に相談してみました。「帰ろうと思ってるんだ」と。その際、現在の会社を紹介してくれました。

今の会社に決めたポイントは?

以前から社名は知っていました。会社訪問をしてみると、皆さんいい人で、海外を相手に仕事をしているところが魅力的でした。

最近は輸入販売が増えているけれど対応するエンジニアが少ないということで、語学も含めて、今まで自分がやってきたことが活かせそうだと思いました。

入社半年で2度の海外出張。休日は大好きだった祭りにも参加。

転職していかがでしたか?

入社前に想像していた通りでした。しなければならないこともたくさんあり、大変ではありますが、楽しくもあります。自分は色んなことをやってみたいタイプなので、ぴったりだと感じています。

機械の勉強をするために、海外出張もあります。入社して半年で、スウェーデンへ3週間、イタリアへ1か月半行ってきました。入社したばかりの自分にも、色々と任せてくれる環境は嬉しいですね。海外にも1人で行かせてもらいましたし。普通はなかなかできない経験をさせてもらっているので、やりがいを感じます。

転職してよかったと思うことは?

残業が減りましたね。以前は、毎日の帰宅時間は22時くらいでしたが、今はほとんど定時帰り。遅くても20時や21時には帰れます。

実家にも近くなりました。今は、実家まで車で10分ほどのアパートに住んでいます。何かあってもすぐに親のところへ行ける、という安心感があるし、こちらも子どもの面倒を見てもらえるので助かっています。両親も喜んでいます。言葉では言わないけれど、どうでもいいような用事でも、「ちょっと来て」と電話してきます(笑)。

地元の友達もまた付き合えるようになりました。子どもの頃から参加していた祭りに久しぶりに参加できるようになったのも嬉しいです。友人と飲みながらワイワイやっていると、「帰ってきたんだな」という実感が湧いてきます。

困ってることや課題はありますか?

出張が増えたことです。ほとんど毎週のように出張に行っているので、家族と過ごす時間がもっとあれば良いなとは思います。

あとは収入です。給料は前職より下がりました。しかも、物価が以前住んでいた愛知県とあまり変わらないので、妻はやりくりが大変そうです。それでも、「これから自分が頑張る!」と妻には言っています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

まずは一歩を踏み出してみることが大事だと思います。最初の一歩を踏み出さないと、何も始まりませんから。

ただ、なんとなく今の会社が嫌だからといった曖昧な理由では、途中で立ち止まってしまうと思います。特に地方への転職は大変ですから。仕事を探すこと自体が簡単なことではないですし、収入も下がってしまいます。

でも、自分が何をしたいのか、という明確な目標と強い気持ち。そこにキャリアコンサルタントの方のサポートがあれば、道が開ける可能性は決して小さくないと思います。家族がいれば給料は気になるけれど、大事なのはそれだけではない、というのが今の私の実感でもあります。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
三田 泰久

小川さんは、学校を卒業後、地元三重の企業で技術力と英語力を身に付け、転職して愛知へ。でも、そこでは技術力を活かせる仕事に就けず。

そこで、両方を活かせ、キャリアを磨ける同社を紹介。「県外上場企業の遣り甲斐のない仕事」か「地元中小企業の遣り甲斐のある仕事」か。それから、彼と夜中に何度も話し合いました。

地元をこよなく愛するも、地元に戻ることにためらいもあった小川さん。今、地元に戻る決断をして良かったと、そして同社での仕事を誇りに思う時が必ず来ると。そして、彼は同社への転職を決断。

今では同社社長から「以前は縦割で横連携がなかったが、彼は縦も横も関係なく、誰にでも積極的に声をかけに行くので、彼の入社が社内の人間関係に良い影響を与えてくれている」とのお言葉をいただいています。

期待以上の仕事をし、仕事以外でも存在感を発揮できた小川さんを同社に紹介できたことを嬉しく思います。

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