転職成功者インタビュー

株式会社明菱
野浪智大さん(生産管理) 32歳

母の病気で決意したUターン。新しい仕事に挑戦する好機と捉え、「こだわらない転職」で成功。

岐阜県の電子機器メーカーに勤務していた野浪さんが、実家のある三重県へのUターンを決意したのは31歳の時。「いつかは帰ろう」と思っていた野浪さんの背中を押したのは母の病だった。地元で転職先を探すにあたり、野浪さんはそれまで携わってきた開発職の継続にこだわらなかった。それは、間口を広げるためというよりも、この転職を機にまっさらな気持ちで仕事を探してみたいという思いからだった。今、「ここからはもう転職するつもりはない」と言い切る野浪さんに、希望どおりの転職を実現するまでの経緯を伺った。(※本記事の内容は、2018年8月取材時点の情報に基づき構成しています)

転職回数
1回
転職期間
エントリーから内定まで180日間

転職前

業種
電子機器メーカー
職種
開発
業務内容
新製品の開発、治工具の設計指示

転職後

業種
合成樹脂加工メーカー
職種
生産管理
業務内容
コンパウンド事業部における生産管理業務

武器は「新しいことにアプローチする力」。10年の開発キャリアに固執せず。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

コンパウンド事業部の鈴鹿工場で生産管理を担当しています。プラスチックの原料となるコンパウンド樹脂を製造するにあたり、お客様が指定する納期に合わせて、十数台ある機械の稼働配分など生産スケジュールを組んでいきます。いかにして生産現場の状況を尊重しつつお客様の要望に応えるかが難しいところであり、やりがいでもあるところ。現場とのコミュニケーションが大切な仕事だと感じます。

入社前のご経歴を教えてください。

三重県出身で、長野県の大学で電気電子工学を学びました。卒業後は愛知県の電子機器メーカーに就職しましたが、入社5年で会社が倒産してしまいました。幸い、岐阜県にある親会社が社員全員を引き受けてくれることになり、私もそちらに移りました。ICパッケージなどの電子機器を扱う会社で、私が担当していたのは、新製品を製造する際に現場の設備にどのような道具を付加したら最もスムーズに流せるかを検討する、どちらかといえば開発に近い仕事でした。ここで5年働きました。

転職のきっかけは?

出身が三重県で長男ということもあり、いつかは地元に帰らなければいけないなと思っていました。直接のきっかけは、2年前に母が病気になったことですが、35歳を過ぎると転職しにくくなるという話も聞いていたので、帰るタイミングとしては良かったのかなと思います。前の会社からは「実家から通えないのか」と言われましたが、車で片道2時間かかるのでとても無理。引き止めていただいて、後ろ髪を引かれる思いもありましたが、母を安心させたいという気持ちの方が強かったですね。

転職活動はどのように進めましたか?

いくつかの転職サイトに登録して、三重県内で働ける会社を探しましたが、業種や職種にこだわりはありませんでした。ずっと製造業をやってきましたが、自分がこの業界に合っているという確信があったわけでもなかったのです。自分にアピールできることがあるとすれば、長く開発に携わって、常に新しいことをしてきたということ。新しいものに対してどうアプローチしていくかを考えるスキルと経験は、強みとしてあったかもしれません。でも、それをどう活かせるかというイメージがあったわけではありません。自分としては、勤務地以外に重視したのは将来性くらい。もう転職をするつもりはないので、安定して、長く勤められる会社に行きたいと思いました。ただ、リージョナルキャリア三重のコンサルタントからは「どこでもいい、というスタンスよりも、経験のある製造業で探した方が転職には有利ですよ」と、最初にアドバイスをいただきました。

今の会社に決めたポイントは?

リージョナルキャリア三重からは4~5社紹介してもらったのですが、その中に明菱がありました。他の会社も全て製造業で、職種は設計だったり技術だったり様々。その中で、他にも内定をいただいた会社はありましたが、明菱に最も将来性を感じたことが決め手になりました。コンパウンドは用途が広く、世の中からなくなることはまずありませんから。また、明菱の面接では、入社後に第三種電気主任技術者の資格を取得してほしいと強く要望されました。私自身、いつか取りたいと思っていた資格でしたが、取得を強く求められたことで、それだけ自分が必要とされているのだと感じられた。それは大きかったですね。

両親の近くに居られる安心感。周囲の支えで未経験の仕事も徐々に習得。

転職してから今までを振り返っていかがですか?

転職してから1年と数カ月が経ちました。生産管理の仕事は初めての経験なので、わからないことは多かったですが、周りの方々に教えていただく中で多少はわかってきたかなと思います。でも、やはり1年目は、前職までの会社との違いを感じることが多かったですね。その中で、変えていくべきだなと思う部分もあります。ただ私自身、この会社のやり方、事情などを把握している途中なので、そうした提案をしていくにはもう少し経験を積む必要があると思っています。そういう意味では、これからもっと自分の色を出していきたいと思っています。

転職して良かったと思うことは?

実家に近い所で働くという転職の目的を果たせたことはもちろんですが、今の会社で周りの人たちにとても良くしてもらっていることです。まだ新しい仕事に慣れていない中、いろいろとミスをしてしまうこともあるのですが、経験豊富な先輩たちがフォローしてくれるのがありがたいですね。もちろんミスは一つ一つ減らしていかなければならないので、そこは当面の課題です。

困っていることや課題はありますか?

2年目に入って任される仕事が増えてきたこともあり、最近、少し残業が増えていることでしょうか。前職は非常に残業の多い職場だったので、それに比べればだいぶ早く帰れているのですが。今後は資格を取るための勉強の時間も確保しなければなりませんし、残業が増えないように工夫が必要かなと思っています。

生活面の変化はありましたか?

今回の転職に合わせる形で、10年ほど遠距離恋愛をしていた女性と結婚しましたので、その意味で生活は変わりました。もちろん、実家に帰ることが多くなったのは大きな変化。現在は会社と実家の間にアパートを借りているので、月に1~2回は妻と一緒に実家に帰りますし、両親が訪ねて来ることもあります。両親はとても喜んでおり、私にとっても何かあった時にすぐ帰れるというのは安心につながっています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職に関して「今よりもいい会社へ」とよく言いますが、何をもって「いい会社」と言うかは人それぞれです。「残業が多いからもっと少ない会社へ」という人もいれば「あまり必要とされていない会社にいるより、期待されて働きたい」という人もいる。そこはあくまでも「自分にとってプラスになる場所」を目指した転職活動をするのがいいのではないかと思います。正直なところ、私はそれほど苦労せずに転職できました。それは、実家に帰るという目的が最優先だった分、業種や職種を限定しなかったことが一つの要因かもしれません。これまでのキャリアにこだわらず、逆に、これを機に新しいことに挑戦してみるのもいいかなと思っていました。その結果、あまり気負わずに転職活動ができ、いい会社と巡り会えたのではないかと思います。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
三田 佳奈子

30歳を過ぎた、お母様の体調が悪くなった、ご結婚が決まった…、Uターン転職を考える様々なきっかけが重なった最中にご相談を受けました。母親思いの心優しい野浪さんの希望を実現したい!と強く思いました。前職の仕事をそのまま活かせる求人が三重になく、当初は難しいかもしれないと思いましたが、インタビューでもおっしゃっていたように、野浪さんが良い意味でこだわらなかったことと、何よりも、野浪さんの優秀さと適応能力の高さがとても重要な要素だったと思います。入社後は、野浪さんが以前より関心を抱いていた資格取得にも同社は全面的にサポートしてくれています。有資格者となり、野浪さんにしかできない仕事の幅が広がることを期待したいと思います。

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