転職成功者インタビュー

中外医薬生産株式会社
原田賢吾さん(研究開発) 30歳

プライベートの競技活動を両立できる伊賀で、研究職の経験を活かせる転職に成功。

医療用医薬品の研究者として順調にキャリアを重ねる一方、プライベートのスポーツ活動により本気で取り組もうと転職を決意した原田さん。「勤務エリアにこだわりつつ、前職の経験も活かしたい」と初めての転職に臨んだ。

そして、リージョナルキャリア三重の担当コンサルタントに紹介されたのは、スポーツ活動の練習拠点と同じ伊賀市に本社を置く一般用医薬品メーカー、中外医薬生産だった。

医療用医薬品と一般用医薬品、安全性評価と製剤開発など同じ製薬業界でもさまざまな変化があり、キャリアのスライドに伴う課題に直面しながらも奮闘している原田さんの転職体験談を紹介する。

※本記事の内容は、2025年11月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで52日間

転職前

業種
製造業(医薬品)
職種
研究開発(安全性評価)
業務内容
新薬開発のスケジュール管理、非臨床試験の計画・実施・報告書作成など

転職後

業種
製造業(医薬品・医薬部外品等)
職種
研究開発(製剤研究)
業務内容
新商品の製剤化業務全般

ダブルダッチを本気でやると決意したのがきっかけ。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

中外医薬生産は研究開発型の製薬メーカーとして、薬局で処方箋なしで購入できるOTC医薬品などの研究開発から製造販売までを一貫して行っています。

私は薬の研究開発の中でも製剤化検討に携わっています。有効性や安全性が担保された成分について、錠剤や軟膏剤、液剤など、さまざまな剤形で製剤化を実現することがミッションです。

製剤研究は自社商品だけでなく、他社から開発受託することもあり、試作や試験を繰り返して製剤化を実現していきます。生産部門や品質管理など他部署との協力も少なくありません。

入社前のご経歴を教えてください。

山口県出身で、岡山の大学院で薬学を学び、三重県に研究所がある医療用医薬品を扱う製薬会社に就職しました。

医療用、つまり病院で使う薬の開発のため、認可前の新規有効成分が人体に問題がないかなどを調べる研究をしていました。実験を通じ、未知のリスクや副作用の生体メカニズムなどの調査に取り組みました。

転職のきっかけは?

プライベートで「ダブルダッチ」という縄跳びとダンスを組み合わせたスポーツのインストラクターを約5年間続けてきました。それにもっと本腰を入れて打ち込みたいと決意したのが転職のきっかけです。

前職の時は桑名市に住んでいましたが、伊賀市のスタジオで子どもたちを指導するインストラクターをしていく中で、生徒や保護者の方たちと触れ合うことで地域のことも考えるようになっていました。

仕事の面では、以前の研究は自分の携わった薬が世の中に出て行くまで10年や15年はかかり、お客さまからは遠い感覚がありました。だから、そのスパンがもう少し短く、社会に役立つ感覚を得たいという思いもありました。

転職活動はどのように進めましたか?

初めての転職で流れが分からなかったので、周りの転職経験者たちにそれとなく話を聞いていきました。その中で、「納得のいく転職をするなら、やはり情報を持つプロの力を借りた方がいい」と助言があり、地域に特化したリージョナルキャリア三重に相談しました。

結果として担当コンサルタントの清原さんから中外医薬生産を勧められましたが、実は中外医薬生産のことは以前から知ってはいたんです。

それでも限られた情報を頼りに一人で求人に応募するのは、一か八かの心境でした。コンサルタントを通じて情報を聞けたことで納得してエントリーできました。味方がいるという安心感は、かなり大きかったです。

今の会社に決めたポイントは?

ダブルダッチのことを考えると、前の職場は平日に仕事を終えてから伊賀まで指導に行ける環境ではありませんでしたし、選手としてのトレーニングにも十分に時間を割けませんでした。

ダブルダッチはまだまだマイナーなスポーツなので、私は選手とインストラクターに加えて、最近では大会の運営にも携わっています。そのことを入社時の面接で説明をして、理解してもらえました。

仕事については、この地域で製薬系の研究開発の求人が少ない中で、現職は前職の経験を活かせる貴重な選択肢でした。以前から伊賀で広告を見かけたり評判を聞くことがあり、地域に密着した会社というイメージがありました。

キャリアのスライドで輝ける場所を見つけられることも。

転職していかがですか?

同じ製薬業界の研究でも専門分野が違ったので、仕事は一からやり直しになるかもしれないと思っていましたが、意外とそんなことはありませんでした。

国のガイドラインなどの情報を探すことや、研究の基本的なルール、論文などから科学的な根拠を調査して、論理を構築することは共通していました。

まだ入社一年目でいろいろと勉強中ですが、職場では中堅として潤滑油のような役割を意識しています。若手に研究の基礎を教えて、上司には専門的なことを教わっています。

若手と上司はお互いに距離を感じているはずなので、間に入って何が求められているか、どうデータをまとめれば伝わりやすいのかなどを若手に助言します。上司とは、家庭のことなど他愛のない話をすることもあります。

ダブルダッチは、ロープを回す人と跳ぶ人のコミュニケーションが欠かせないスポーツで、主体的に話すことを大切にしています。インストラクターとして生徒や保護者と触れ合ってきたことも、仕事に活きていると思います。

転職して良かったと思うことは?

仕事とプライベート、両方の充実度が上がったのが一番大きいですね。平日は仕事を終えてから10分で指導に行けるようになりました。

また、仕事の面ではドラッグストアで売られる有名なOTCの商品を扱うこともあり、「あの商品って、こういう風にできていたのか」と勉強になります。

以前は自分の携わった薬が世の中に出るまで10年や15年はかかりましたが、今はそのスパンが短くなって手がけた商品をより身近に感じられるようになりました。その分、商品が多くの人の手に取られる責任をより強く自覚できるようにもなりました。

困っていることや課題はありますか?

前職では生物系が専門分野で、使用する機械についてはあまり詳しくありませんでした。研究所全体でも知識のある人が少なかったため、機械トラブルなどは研究所に常駐している外部メーカーの専門担当者に任せていました。

しかし、現職では製剤研究を専門とするため、製造に関わる機械に精通している必要があります。何かあっても自分たちで解決しなければなりませんし、工程ごとの製造条件や使用する機械の仕組みなど、それら全体を理解する必要があります。

日々新しい体験ばかりで、研究する専門分野が前職とは異なるので常に勉強が欠かせません。近いうちに品質管理に関わるQC検定試験を受けようと取り組んでいます。

事業や製品についての解像度をもっと上げていかなければ、課題を見つけても具体的な解決策を出せず、実現性を持たせられないもどかしさを感じています。

上司から、全体を把握するには「三年はかかる」と言われていますが、もっと早くにキャッチアップしたいです。

生活面での変化はありましたか?

平日のダブルダッチ活動のために、いかに仕事を早く終わらせるか、時間の効率化への意識が高まりました。前はかなり残業していましたが、今はできるだけ定時を守っています。もちろん、職場の協力があってのことです。

職場の環境としては、前職は山の中だったのが、今は工場の多い企業団地の中に変わりました。中外医薬生産は学校で出前授業をしたり市街地でのイベントに参加していたりと、伊賀の地域や産業を支える会社で働けている実感があります。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

仕事は人生の幸福度を大きく左右するので、自分の軸を改めて考えて、得意や実現したいことを基準に選んでほしいですね。私は同じ医薬品の研究職の中でも、医薬品の種類や研究分野などを少しスライドさせる選択でした。

直接的なキャリアアップを目指すだけでなく、キャリアをスライドさせることで新たに輝ける職場を見つけられることもあると思います。

その上で、自分の意見をしっかりと主張して条件の交渉をすることも大事です。コンサルタントという心強い味方もいてくれますから。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
清原 和浩

初めての転職で慎重な一面もありましたが、「仕事もプライベートも、どちらも大事にしたい」という軸は常にブレない、その素直さに強く共感しました。

研究者として専門性を伸ばしながら、ダブルダッチの指導や競技活動にも真剣に向き合う姿勢は、中外医薬生産社の「人をきちんと見てくれる社風」と必ず噛み合うと感じ、ご支援にも自然と力が入りました。

入社後は「本当に両立できています」と笑顔で話してくださり、こちらも嬉しい限りです。今回の支援を通じて、改めて「どちらかを我慢するのではなく、両方を望んでいい」と思える方を、これからも応援していきたいと感じました。

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