三重執鬼株式会社
片岡翔さん(仮名・営業) 37歳
家族とともに暮らすためにIターン。三重で「物流営業」のキャリアが活きる仕事に巡り会えた。
東京出身の片岡さんは、全国展開する大手物流会社に就職して統括営業や引越しプランナーとして活躍していた。育児のため、妻は子どもとともに実家の三重に戻っており、単身赴任のような生活を送っていた。
週末ごとに東京と三重を行き来する日々にも不満はなかったが、そこをコロナ禍が直撃。地域外への自由な移動が制限され、我が子と会えない期間が1年も続いた。「家族と一緒に暮らしたい。子の成長を妻と一緒に支えたい」という気持ちがどんどん募っていた片岡さんは、三重へのIターン転職を決意する。
リージョナルキャリア三重の紹介で巡り会った三重執鬼(トルキ)は、物流営業で積んできた片岡さんのキャリアを存分に発揮できる会社だった。希望通りの仕事と、家族と一緒に過ごす毎日を手に入れた片岡さんの転職活動について伺った。
※本記事の内容は、2023年8月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで84日間
転職前
- 業種
- 物流業
- 職種
- 営業
- 業務内容
- 大手物流会社での統括営業、引越しプランナー
転職後
- 業種
- 物流業
- 職種
- 営業
- 業務内容
- 法人顧客に向けた物流営業
「単身赴任」状態をコロナ禍が直撃。家族と会えない日々が1年も続いた。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
三重トルキは、三重県を中心に中部・関西、全国への物流サービスを提供する会社です。物品輸送はもちろん、倉庫を活用した保管や、検品・仕分けといった流通加工など、物流をトータルでサポートできるのが強みの一つです。
私はその伊賀営業所で、法人のお客さまに向けた物流営業を担当しています。営業所に併設されたパレットセンターでは、パレット(配送で使う木製の荷台)も製作しています。
各方面からパレット製作の依頼が来るのですが、パレットが必要なお客さまは当然、積み荷を抱えておられます。そこで「当社ではパレット製作だけでなく、物流をトータル提案できます」といった営業活動を行うのです。
また、物流は同業者ネットワークの構築が非常に大事です。伊賀から県外に荷物を送る場合、協力関係にある配送会社に依頼することもよくあります。逆に協力会社から「この物流は三重トルキさんも一緒にやってほしい」と引き合いを受けるケースも出てきます。協力会社と関係を深め、協働する体制を組むのも営業の役割です。
入社前のご経歴を教えてください。
東京出身で、関東の大学を卒業した後、全国展開する大手物流会社に就職しました。顧客の物流センターで荷物手配に携わったり、営業としてさまざまな法人への提案を担当するなどしました。
一番長く関わったのは、引越しプランナーです。個人・法人のお客さまを対象に相談を受け、荷物や場所の状況を確認して見積もりを提示。契約後は引越しを実行します。
転職直前は、企業移転の部署で従事。ショップ移転では経験のないフロア替えなど、事務所移転でも個人の引越しとは異なるノウハウが必要で、新しい経験をしました。さまざまな物流を担当でき、とても面白かったです。
転職のきっかけは?
27歳の時に結婚し、東京で暮らしていました。しかし、妻はもともと三重出身で、彼女の母は三重で幼稚園の園長をしていました。それで、「子どもが生まれたらお母さんの園に通わせたい」と話していたのです。
実際に子どもが生まれると、希望を実現させるため、妻と子どもは三重に帰りました。私も後を追おうと会社に転勤願いを出していたのですが、なかなか叶いません。仕方ないので、週末ごとにお互い東京と三重の行き来を繰り返していました。
そこを直撃したのが、コロナ禍です。自由な移動ができず、妻子に1年以上会えなくなってしまいました。このままずっと会えず、息子が知らぬ間に小学校を卒業した、なんてことになったらどうしよう、と不安になりました。
家族と一緒にいたい。息子の成長を妻とともに喜びたい。そんな思いが募った結果、妻子のいる三重に転職することを決めました。
転職活動はどのように進めましたか?
まず転職サイトを見てみましたが、物流営業の求人数が多くありません。まして三重となると、かなり絞られます。そこで、三重県の転職に強い会社はないかと探し、巡り会ったのがリージョナルキャリア三重(運営:アーリー・バード株式会社)でした。
「全国の情報を扱っている。その中に三重の情報もある」のではなく、「三重・岐阜を中心に転職支援」する会社なので、「ここなら」と感じました。
エントリーすると、すぐコンサルタントの清原さんからコンタクトがありました。清原さんは、物流で積んできたキャリアを活かしたい、家族との暮らしを第一に考えたいという私の話をしっかり聞いてくれ、親身に相談に乗ってくれました。
私も長く営業をしていて、何千人もの人に会ってきましたから、信頼できる人かどうか感じるものがあります。清原さんは信頼しても大丈夫、と思いました。
今の会社に決めたポイントは?
清原さんが私のキャリアや思いを汲み、見つけてくれたのが三重トルキです。早速面談をお願いし、寺田社長と面談しました。そして「全従業員の物心両面の幸福の追求」という理念にふさわしい、人を大事にする社長なのだと実感できました。
結局、清原さんから紹介をいただいたのはこの一社だけでしたが、信頼するコンサルタント一押しの会社なので、他の会社も見てみたいという考えが浮かぶこともなく、迷いはありませんでした。
チャンスをくれた社長と、担当コンサルタントにいつか恩返ししたい。
転職していかがですか?
転職して1年になりますが、「人を大事に」という理念が職場に浸透していることを感じます。「自分の仕事だけこなせばいい」ではなく、みんなで支え合っているのです。
それはお客さまや協力会社との付き合い方にも表れていて、自分だけが得をするのではなく、持ちつ持たれつでやっていこうという姿勢で業務に取り組んでいます。依頼は断らず、どうやったらできるか考える。これが信頼につながっているのだと思います。
前職は大手企業にいたので、ある意味「看板」に頼っていたかもしれません。しかし「看板」は、自分の実力ではありません。ここではそういうことは関係なしに、人物本位で仕事に当たることができます。
ですから、「学ばせてもらっているし、仕事しながら人格形成にもつながっている」という気がしますね。私は、全社員に配られた社員手帳を毎日持ち歩き、事あるごとに理念や姿勢を読み返しています。
転職して良かったと思うことは?
家族と一緒に暮らせるようになったことです。転職先が決まって、息子に「父ちゃん、三重で働くよ」と告げたら、「ああ、そう」と素っ気ない答えでした。
しかし、子どもの習い事の迎えに行った時、友だちのお母さんが「息子さん、『父ちゃんが帰ってくるんだ~』とすごく嬉しそうでしたよ」と教えてくれて。親にはそういった姿を見せないけど、本心では喜んでくれているのだな・・・と思いました。
会社も仕事も勉強になることが多いし、転職に後悔はありません。マッチングしてくれた清原さんや、チャンスをくれた三重トルキの寺田社長には、いつか必ず恩返ししたいですね。
困っていることや課題はありますか?
三重県はまだまだ知らない所がたくさんあります。今は既存顧客のつながりで仕事できていますが、営業としては自ら開拓していかないといません。
地域が変わるとビジネスの慣習も違うので、お客さまから教えてもらっていることも多い状況です。早く、その分のお返しをしたいと思います。
生活面の変化はありましたか?
東京では満員電車に揺られての通勤で、約1時間、配属先によっては2時間半、ということもあり、かなり疲れていました。今は自宅から車で50分程度。近いとは言えませんが、満員電車より全然楽ですし、行き帰りの車中は完全に一人の時間なので、いろんなことについて考えを深められるのがいいですね。何より、家族と一緒にご飯を食べ、息子と風呂に入れるのは最高です。
また、私は小学校から大学までずっと野球をやっていたこともあり、会社の上司に誘われ、週末は中学の硬式チームのコーチをやらせてもらっています。
すると、ずっと水泳をやっていて野球には関心なさそうだった息子が「お父さんの野球チームに入るには、どうしたらいい?」と聞いてきまして。「少年野球から始めるといい」とアドバイスすると、早速野球を始めました。今では暇があると、子どもとキャッチボールして過ごしています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職する際、志望先の会社については可能な限りいろいろ調べた方がいいと思います。仕事面だけではなく、どういう姿勢の会社なのか理解した方が、納得度は高まります。
方法はいろいろあると思いますが、私は信頼の置けるコンサルタントに巡り会えたことで、多面的な情報を得られました。会社の雰囲気、社長の人柄、キャリアが発揮できそうか、それらが分かった上で面談に臨めたので迷いはありませんでした。
頼りになるコンサルタントは、自分の気になる点を綿密に調べた上でマッチングしてくれます。そういった人材紹介会社やコンサルタントを探すのが、理想の転職を実現する近道かもしれません。