美和ロック株式会社
西田隆介さん(仮名・社内SE) 36歳
地元で社内SEになりたい!難しいと思っていた希望も、相談してみたらすんなり実現。
新卒で就職して以来、SEひとすじだった西田さん。しかし、ずっと客先常駐という働き方だったため、「そろそろ1つの会社に腰をすえて仕事がしたい」と、社内SEへの転職を希望して転職活動をスタートさせた。すると業界の人手不足もあってか、オファーはたくさん来たという。しかし中身をよく見てみると、「前職と似たような客先常駐の求人ばかり。がっかりした」と西田さん。
ところがリージョナルキャリア三重に相談してみると、状況は一変。自分の希望を伝えると、すぐに三重県内の社内SEの求人を複数紹介されたという。リージョナルキャリアとの出会いから夢を実現させた西田さんに、転職体験談とその後の働き心地について、詳しくお話を伺った。
(※本記事の内容は、2022年7月取材時点の情報に基づき構成しています)
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで230日間
転職前
- 業種
- 技術者派遣
- 職種
- システムエンジニア
- 業務内容
- 常駐先メーカーにてシステム開発・運用
転職後
- 業種
- 錠前・鍵製造
- 職種
- 社内SE
- 業務内容
- 情報システム部門にて、社内コンピュータシステムの設計、開発導入、保守管理及び対外窓口、ハードウェア、ネットワーク環境の保守管理など
コロナ禍で感じた、客先常駐の不安。「次も仕事があるのだろうか?」
現在のお仕事はどんな内容ですか?
美和ロックという鍵・錠前のメーカーで、社内SEをしています。当社の主力工場である玉城工場の生産管理システムを中心に、社内システム全般の運用・保守を担当しています。私が所属する情報システム部門は、全部で7名ほどの少数精鋭チーム。私は役職にはついていませんが、現在はチームの中核的な立ち位置で、取りまとめに近い仕事をしています。
入社前のご経歴を教えてください。
鈴鹿生まれの、鈴鹿育ちです。名古屋の専門学校を出た後、本当は三重県内で就職したかったのですが、思うような就職先がなく、名古屋にあるIT企業に入社しました。SEとして7年ほど働きましたが、新卒入社と同時に客先常駐が始まり、愛知県内で働いていました。その後、三重県のIT企業で4年、名古屋の同業で3年ほど、SEとして働いていました。
転職のきっかけは?
これまで3つの会社を経験しましたが、すべて客先常駐のスタイルで働いていました。コロナが騒がれ始めた時期に、ふと不安になったんですよ。「今の現場が終わったあと、次も仕事があるのだろうか?」と。そろそろあちこちで働くのではなく、1つの会社で腰を落ち着けて仕事がしたいと思い、社内SEになりたいと考えるようになりました。それと同時に、今の自分のキャリアは業界の中でどう見られるのか、自分の市場価値を確認してみたいという気持ちも強くなってきて、転職活動をやってみることにしたんです。
転職活動はどのように進めましたか?
まずは大手の転職サイトに登録しました。システム開発の業界はどこも人手不足みたいで、想像以上にいろいろな会社からメールで声をかけてもらいました。でも中身を見ると、それまでと似たような派遣タイプの仕事ばかりだったんです。「どうしようかな?」と悩んでいたときに、リージョナルキャリア三重から連絡がありまして。「一度話を聞いてみませんか?」ということだったので、面談をして、自分のキャリアや希望を伝えたんです。そうしたらその場で「社内SEの求人は、これだけありますよ」と複数の案件を提示され、正直「こんなに?」と驚きました。しかもすべて、三重県内の求人。それまでどこを探しても載っていなかったので、びっくりしました(笑)。
今の会社に決めたポイントは?
希望していた社内SEの募集でしたし、面談で会社の話を聞いてみて、仕事がしやすい環境なのかなと感じました。従業員を大切にしている印象も受けました。今の上司が面接を担当してくれたのですが、この人ならついていきたいし、うまくやっていけそうだとも思いました。
給料は前職より下がりましたが、担当コンサルタントからは「地域の求人案件の中でも福利厚生が手厚く、長期就業にオススメしたい会社」と伺いました。しかも毎年昇給があるという話だったので、いずれは前職並みに戻るだろうという感触がありました。
唯一の不安は、鈴鹿にある自宅から遠いこと。でも新卒で入った会社では、電車で片道3時間かけて通っていたこともあるので、その時に比べたら許容範囲かなと思いました。
最初は戸惑いもいっぱい。でもストレスは減り、やりがいは増えた。
転職していかがですか?
製造業で働くのは初めてだったので、覚えることがたくさんあって、最初は大変でした。工場もすごく広いんです。建屋が5つあって、その中に約800台のPCが点在しています。ですから、「このPCの調子が悪い」という電話がかかってきても、最初はどこにあるのかわからず、なかなかたどり着けなかったこともありました(苦笑)。
また、基幹システムは特殊な言語でつくられていて、その言語は読めるのですが、内容を理解するのは難しかったです。自分に生産管理の知識がないので、このプログラムで何をやりたいのか、何の処理をしているのかがわからないんですよ。しかも鍵や錠前を作っているので、独自の文化もたくさんあります。ですから周りの人に聞いたり、必死にプログラムを追いかけながら、一つ一つ仕事を覚えていくしかありませんでした。
その点、皆さんすごくいい人で、質問しやすい雰囲気だったのは助かりましたね。仕事の上でも、前職と比べると、現場の人と話す機会が圧倒的に増えました。問い合わせや要望をもらうことも多く、コミュニケーションは特に大事にしています。
転職して良かったと思うことは?
今までの経験を活かしながら、新しいことをやれている点です。システムを作り、使ってもらう人の意見を聞いて、改善し、フィードバックする…といった、現場の人とやりとりしながら作り上げていく仕事が自分は好きなんだなぁと改めて気づきました。
それから、納期のプレッシャーから解放されたのも大きかったですね。ゆったり自分の裁量でやらせてもらっているので、ストレスがなくなりました。前職までは「月曜から、頑張らないと…」という憂鬱な週末があったのですが、それもなくなりました(笑)。なにより、トラブルが解消した時に「ありがとう」と言ってもらえるのがうれしいです。工場の皆に頼ってもらえることが、やりがいになっています。
また残業がなくなったことで、プライベートに回せる時間も増えました。今までは仕事の比重が大きすぎましたね。これからはプライベートも充実していくと思います。生活リズムも規則正しくなりました。前職までは夜遅くに帰宅して、夕食を食べない日もけっこうあったのですが、今は毎日食べることができるので、体調もいいです。転職してから体調崩したことが一度もありません。
困っていることや課題はありますか?
前職では電車通勤だったのですが、自動車通勤になり、運動不足を感じています。ですから最近は、帰りに公園に寄り道して、30分ほど体を動かすようにしています。もう一つは、自分の時間が増えたので、もっとプライベートを充実させたい。そこがこれからの課題ですね。
生活面の変化はありましたか?
今回の転職では引っ越しはしていません。いちばん大きな変化は、残業が減ったことですね。前職では毎日3時間程度の残業がありましたが、今はほぼありません。多くても月に10時間いかないくらいだと思います。基本的に会社が残業をさせないようにしているんです。定時で帰る方も多いので、自分も帰りやすいです。
そのぶん、朝は早くなりました。始業は8時20分から。会社には車で通勤しています。高速を使えば1時間ほどで着きます。休みの回数や過ごし方は転職前と変わっていません。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職活動をするかどうか、迷っているのなら、やってみたらいいんじゃないかと思います。動かないと、状況は変わらないので。私も今回、それを実感しました。あのとき動かなかったら、客先常駐のまま。動いたからこそ今の会社、今の仕事と出会えたんです。
社内SEはやはり安定感を感じます。当初は開発系のSEとは違った働き方に戸惑ったこともありました。「そんなに無理しないでいいよ」といわれてびっくり(笑)。前職までは納期に追われる働き方をしていましたし、自分自身、背負い込んでしまう性格なので、無理をするのが当たり前になっていたのかもしれません。そういう意味では、今は気楽に仕事ができるようになっています。
ただ、だからといって、いい加減な仕事をしていいわけではありませんので、きちんとやる部分と、ゆるくていい部分、そのメリハリが社内SEには大事だなと感じています。
リージョナルキャリア三重にも、とても感謝しています。実は転職支援サービスを利用するのは今回が初めて。転職コンサルタントというと、むこうから一方的に提案してくるイメージがあったのですが、リージョナルキャリア三重のコンサルタントは、ちゃんと私の希望にマッチする求人を紹介してくれましたし、一次面接にも帯同してくれたんですよ。そこまでしてくれるんだと、驚きました(笑)。
自分が聞きづらいことを確認してくれたり、フォローしてもらったり、とても助かりました。終始ちゃんと寄り添ってくれたので、転職活動をしていて安心感がありました。