転職成功者インタビュー

三重機械鐵工株式会社
本田和良さん(仮名・社内SE) 43歳

両親のそばで暮らしたい。でも社内SEは続けたい。2つの想いを転職で実現。

静岡県内で社内SEをしていた本田和良さん。仕事にはやりがいを感じていたが、心の片隅にはいつも、「いつかは両親がいる三重にUターンしたい」という想いがあった。「今は元気な両親も確実に年を重ねていく。支えられるのは、長男の自分しかいない」。そんな本田さんが具体的な行動を起こすきっかけになったのは、昇進の話だった。「この話を受けたら、ますます辞めにくくなる」と考えた本田さんは、自分の想いを上司に打ち明け、会社を退職した。先に会社を辞めたのは、働きながらの転職活動は難しいと考えたから。「貯めていたお金で生活しながら、転職活動に専念したかった」と本田さん。当初は希望していた社内SEの仕事を三重県内で見つけることができず、活動は難航したが、リージョナルキャリア三重との出会いによって活路が開けた。「社内SEの求人は、一般的なサイトにはなかなか出ないんです。リージョナルキャリアに相談してよかった」と喜ぶ本田さんに詳しいお話をうかがった。(※本記事の内容は、2022年3月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
2回
活動期間
エントリーから内定まで89日間

転職前

業種
機械関連メーカー
職種
社内SE
業務内容
社内システムの開発及び導入、ヘルプデスク対応

転職後

業種
産業機器メーカー
職種
社内SE
業務内容
各種社内システムの運用管理、新システムの立ち上げ

1度目の転職でキャリアアップし、2度目でUターンを実現。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

三重機械鐵工は四日市に本社を置く老舗メーカーです。各種圧力容器の製造とプラントのメンテナンスを手がけており、創業100年を超える歴史を誇っています。主力製品は、石油・石油化学プラントで使用される熱交換器。四日市のコンビナートではもちろん、日本全国の石油・石油化学プラントで当社の熱交換器が数多く使用されています。私はそんな会社の社内SEとして働いています。総務部に所属していますが、SE専任は私1人。社員が使うPCの設定や使い方の説明から、新たなソフトの導入、社内システムのプログラミングまで、PCまわりのことは何でもやっています(笑)。

入社前のご経歴を教えてください。

名古屋にある大学を卒業した後、独立系のソフトウェア企業に就職し、愛知県内で10年間、在庫管理システムなどのプログラミングを担当していました。その後、静岡県内のメーカーに転職し、社内SEとして5年間働いていました。

転職のきっかけは?

1回目の転職はキャリアアップのためでした。プログラマーとは違うステージに挑戦したくて転職活動をしていたところ、静岡の会社からオファーをいただいたんです。仕事自体は、大きなプロジェクトを任されるなど、やりがいを感じていましたが、いつかは両親が暮らす三重県に戻らなきゃいけないなとは考えていました。今は両親も元気ですが、もう70歳を超えています。これから先、運転免許証を返還するなんてことになったら、生活も大変になるはず。実家があるあたりは田舎なので車がないと不便ですから。かといって私が住んでいた静岡から三重までは、車で片道2時間かかります。弟はいますが、神奈川にいるので頼れません。ですから、自分が40歳を超えたあたりからは、Uターンのための資金の準備も少しずつ始めていました。具体的に動くきっかけになったのは、昇進の話が出てきたこと。これを受けると、辞めにくくなると思ったんですよ。ちょうど大きなプロジェクトの区切りがついたところで、転職活動を始めることにしたんです。

転職活動はどのように進めましたか?

3つの転職サイトに登録しました。職種は社内SEかプログラマー、勤務地は三重の実家にできるだけ近い場所、という条件で探しました。でも当初は思うようには進みませんでした。他のサイトからも紹介の話はいくつかいただいたのですが、システム会社など、開発側の仕事ばかりだったんです。社内SEの話はまったくありませんでしたね。そんなときに、リージョナルキャリア三重から連絡があり、社内SEの求人を紹介してくれたんです。しかも3社も!驚きましたし、ありがたかったです。

今の会社に決めたポイントは?

SE専任者の募集だったからです。他の会社は総務・人事との兼任でした。でも情報システム部門が独立していない中小企業ではよくあることなんですよ。特に地方に行けばそう。いまの会社も以前まではそうだったようですが、「これからはSEの専任者が必要だ」ということで今回募集を始めていたんです。私としても前職の経験から製造業のことはよく知っていましたので、安心感がありました。自分に要求される仕事がスタートの時点で見えやすかったことも、入社の決め手になりました。

すごい動機がなくても転職はできる。ただ、資金は貯めておいた方がいい。

転職していかがですか?

人間関係がよくて働きやすいですし、入社前後のギャップもありませんね。なんでもやらないといけないことは、入る前からわかっていたこと。もともと私は管理職というより、現場でいろんな仕事をしたいと思っていたので、むしろ希望通りです。会社が抱える課題も見えてきました。いろいろなデータはたまっているけど、うまく取り出せないんです。データを取り出せないから、分析できない。分析できないから、戦略を立てられない―。これは中小企業には共通して言える課題なんです。データが的確に取り出せるようになれば、次の戦略も立てやすくなるし、適切な経営判断もできます。それができる環境にしていくことが、私のミッションだと思っています。ただ、今はまだ、私がどんなスキルを持っているのか、何ができるのかが、社内であまり知られていません。ですから、まずはできることから始めています。そして、ある程度できることを見せていったら、「これもできる?」「あんなことできない?」といろんな声がかかるようになるはず。そうなるのを楽しみにしています。

転職して良かったと思うことは?

まずは両親の近くにいられるようになったことです。親は、私が帰ってくるとは思っていなかったらしくて。自分たち2人でなんとか生活していくつもりだったらしいですけれど、今はとても喜んでくれています。私自身も、なにかあればすぐに行けるので安心です。仕事の面でも、新しいやりがいを感じています。入社前後からやりとりをしていた本部長が社長になったんですよ。話もしやすいですし、ITに対する理解もある方なので、いろんなことが進みそう。課題はありますが、だからこそやりがいも感じています。

困っていることや課題はありますか?

困っていることは今のところないですね。今の会社のほうが給料のベースが高いので、収入も上がりました。しいて言えば、時間の使い方でしょうか。早く帰宅できるようになり、自分の時間が増えたのですが、あまり実感がないんです(笑)。自分の時間の有効な使い方がこれからの課題ですね。

生活面の変化はありましたか?

今は鈴鹿のアパートで一人暮らしをしています。実家で暮らすことも考えたのですが、一人暮らしが長いと荷物も多いので。鈴鹿は生活圏内に何でもそろっているので便利です。通勤時間は車で約30分。残業が減ったので、家に帰る時間は1時間半ほど早くなりました。今は19時前後には家に帰りついています。最初に働いていたシステム会社の時と比べると、考えられないですね。あの頃は残業時間が毎月30時間を超えていました。若いから大丈夫でしたが、今もあの働き方を続けていたら倒れていたかもしれません(苦笑)。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私の場合、「なんとなく転職した」というのが正直なところなんです。ですから、特にすごい動機がなくても、転職はできると思います。ただ、動く前にお金は貯めておいたほうがいいとは思います。仕事をしながら転職活動をするのは、難しいはず。だったら前もってお金を貯めておいて、会社を辞めてから、転職に専念するというのも、1つの考え方だと思うんです。収入が断たれてしまうと、転職の選択肢がどうしても狭くなってしまいます。次の収入が欲しくて、自分に不利な条件でも飲んでしまうこともあるかもしれない。一方、半年は何もしなくても生活できるくらいの資金があれば、半年かけてじっくり転職先を探せますよね。また地方で転職する場合は、自分1人で活動するよりも、そのエリアに強い転職支援会社に相談することをおすすめします。特に社内SEを希望している場合はなおのこと。社内SEの求人は一般的なサイトなどにはあまり出てこないんですよ。リージョナルキャリア三重のような転職支援会社は地方企業の生の情報や求人を持っているので、心強い味方になってくれるはずです。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
清原 和浩

「現職に大きな不満はないけれど、退職して両親のいる三重県にUターンしようと思っている。ただ、ピンとくる求人が見つけられないので困っている」というご相談を受けて、「ご両親思いの心優しい本田さんのUターン転職をご支援したい!」と強く思いました。また、初回面談で、社内SE業務の面白さ、苦労なども楽しそうにお話しされ、心底、社内SE業務がお好きなのだと伝わってきたことを鮮明に覚えています。結果的に、三重機械鐵工社の社内SE初の専任者としてご入社され、先日は部長から「想像を大きく上回る活躍ぶり」と伺い、お引き合わせできたことを心から嬉しく思います。本田さんの益々のご活躍を願い、今後も1人でも多くのUターン転職希望者をご支援できるよう精進してまいりたいと思います。

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