転職成功者インタビュー

大起産業株式会社
中村康一さん(仮名・人事総務) 33歳

未経験の職種でUターンに成功。チャンスを掘り起こしてくれたコンサルタントに感謝!

三重県は縦に長い県だ。中村康一さん(仮名)は、県内のIT企業に就職し、北部のいなべ市にある実家から通いながら働いていた。ところが結婚し、実家を継ぐことを決めた矢先に、本社への異動を命じられる。本社は県南部の津市にあり、家から電車で片道約2時間もかかる。残業すれば終電に間に合わず、奥さんに車で迎えに来てもらうこともしばしば。心苦しさと体力的な負担で、「仕事に力を100%出せない」もどかしさを感じていた。いったんは再び実家に近い勤務地へ異動になったが、いずれはまた本社に戻らねばならない。そして次に異動があれば、ずっと本社勤務が続くこともわかっていた。気がつけば自分も33歳。「今が決断のとき」と転職活動を始めたのだという。そんな中村さんに、リージョナルキャリア三重のコンサルタントが紹介したのは、意外な選択肢だった。いつも通っていたのに見過ごしていた会社と、総務という未経験の職種。それでも地元に帰るために挑戦を決意した中村さんに、その後のお話をうかがった。(※本記事の内容は、2016年9月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで45日間

転職前

業種
情報サービス
職種
サービスエンジニア
業務内容
官公庁向けシステムの導入および現地に常駐しての運用サポート

転職後

業種
航空宇宙・産業機械メーカー
職種
人事・総務・システム管理
業務内容
管理部門にて採用業務、総務業務およびシステム管理業務と幅広く担当

ロケット発射台に、航空機。地元にこんなすごい会社があるなんて知らなかった

現在のお仕事はどんな内容ですか?

「大起産業」という産業機械メーカーの総務部で働いています。会社の規模は、社員が約520名、年商は37億円ほど。もともとはトンネルを掘るシールドや大型クレーンといった油圧設備の製造販売がメインなのですが、最近では宇宙ロケットを打ち上げる際の発射場の設備や、国産飛行機の胴体なども組み立てています。私の仕事は総務全般です。例えばマイナンバーやストレスチェックなど、さまざまな法改正に伴う新たな規定づくりから、情報システムの導入、採用にむけての説明会の運営や面接、社員の給与チェックまで、幅広い仕事に忙しく取り組んでいます。総務部のメンバーは私を入れて8名。入社してまだ間もないので肩書はありませんが、内部的にはリーダーということになっています。

入社前のご経歴を教えて下さい。

出身は三重県のいなべ市です。名古屋の大学を卒業した後、津市にあるIT企業に就職しました。市町村向けの情報管理システムをメインにしている会社で、私は主に顧客サポートを担当していました。具体的には、お客様である市町村役場をまわって商談の情報を集めたり、SEとお客様の間に立ってシステムづくりを進めたり、導入の際のサポートをしたり。そうした仕事を10年以上続けていました。

転職のきっかけは?

入社2年目から客先に常駐して働くようになったのですが、実家から近かったので、ずっと実家から通っていました。ところが、結婚し、実家も建て直したあとに津市にある本社への異動を命じられたんです。同じ三重県内なんですが、実家から本社までは電車で片道2時間弱かかるんです。顧客サポートの仕事は朝早く出社することも多いのですが、始発電車に乗っても間に合わないことがありました。夜も残業すれば終電に間に合わず、そのたびに妻に車で迎えに来てもらっていたんです。それが心苦しくて。体力的に大変でしたし、このままでは仕事に100%力を出せないと感じていました。またそういう毎日ですから、家にいる時間や家族と過ごす時間もないんですよね。だから地元の行事も全部、親に任せきりになっていました。入社9年目から県北の桑名市にあるサポートセンターに異動になり、比較的実家から近くなったんですが、気がつけば3年を過ぎ、また本社に戻る可能性が高まってきていました。もしそうなれば、今度は年齢的にもそのままずっと本社勤めになるはず…。そう考えると「難しいなぁ」と思いましてね。地元で働けたらいいなという思いも強くなっていましたし、自分の年齢(33歳)のことも考えて、転職活動を始めることにしたんです。

転職活動はどのように進めましたか?

働きながらだったので、ハローワークなどに足を運ぶのも難しいし、まずは大手の転職サイトに登録しました。希望職種は、社内用の情報システムのエンジニア。勤務地は実家から通えるエリアで希望しました。でもピッタリの求人はなかなかなかったですね。覚悟はしていたんです。大学時代の就活のときも、地元にないから、津の会社にしたので…。大手のエージェントには「名古屋にしかない」といわれ、それも候補にしなきゃいけないのな?と考え始めていました。ただ、あせってはいませんでした。まだ仕事をしていたし、35歳になるまで2年かけてじっくり探すつもりでいたのですが、活動を始めて2週間くらいした後に、リージョナルキャリア三重からメールが来たんです。地元に特化しているところがいいなと思い、すぐに連絡をとりました。するとまもなく、紹介してもらったのが、今の会社。もともと求人はしていなかったんだそうです。でも担当してくれたコンサルタントがたまたま、他の用件で「大起産業」を訪問した際に、私の履歴書を見せてくれ、「こういう人がいます」と話をしてくれたんだそうです。そうしたらちょうど情報システムに詳しい人材がほしかったみたいで、「話を聞かせてほしい」と。その後はトントン拍子でしたね。私も「ぜひお願いします!」ということで面接をしていただき、入社が決まりました。

今の会社に決めたポイントは?

1つは、近さですね。車で20分くらいのところにあるんです。全然知らなかったのですが、調べてみたら普段よく通っている道沿いにあったんですよ。こんな田舎に宇宙産業や航空機産業に携わっている会社があることに驚きました。もう1つのポイントは、面接での印象です。社長と総務部の次長に面接していただいたんですが、すごく話しやすく、この人達の下で働きたいと思いました。

でも希望職種とは違っていたはずですよね?

そうですね。確かに会社からは「情報システムだけでなく、総務全般の仕事をしてほしい」といわれました。とはいえ総務は未経験。でも不思議と不安はあまりなかったです。前の顧客サポートの仕事でも、お客様や社内のいろいろな人と話したり、調整することが多く、コミュニケーションに対する不安はありませんでしたから。また面接の場でも、「こんなことをしてもらいたい」という具体的な内容を話していただきましたし、私も「こんなことならできる」というこれまでの経験や気持ちを素直に話すことができました。面接の場でお互いの事情や考えを充分にすりあわせできたので、私も「やってみたい」という気持ちになれたのだと思います。

時間にも心にもゆとりが生まれ、仕事も将来設計も楽しくなった

転職していかがでしたか?

面接のときにしっかり話していたおかげだと思いますが、思っていた通りの仕事でした。入社から3ヵ月は、入社時や退社時の人事管理や、税の申請、保険手続きなど、総務の基本的なことを勉強。その後、新卒者の採用も任されるようになりました。会社としてもここ数年やっと新卒採用に本腰を入れ始めたばかりなので、やり方が確立されていません。だから説明会のブースの作り方から、学生さんに対する説明の仕方まで、1から作り直しているところです。予想以上に任される部分が大きいのには、ちょっと驚きましたね。マイナンバー導入についての規定の見直しも、私がリーダーになってとりまとめましたし。システム面でも、もっと改善できる点をたくさん見つけています。未経験からの仕事ではありましたが、自分が持っている能力と総務の仕事をうまくマッチしていけていると思います。会社に対して新たな貢献ができている実感があり、それがやりがいにつながっています。

生活面での変化はいかがですか?

プライベートの時間がとれるようになったことがいちばんの変化だと思います。17時が定時なので、早ければ17時半には家にいます(笑)。平均すると、帰宅時間は18時くらいでしょう。残業もたまにはありますが、前に比べれば本当に少なくなりました。前は毎月40~50時間の残業をしていましたからね。そのうえ顧客サポートという仕事柄、休日に緊急で対応しないといけないこともよくありました。そのために予定がつぶれてしまって、妻に謝ることも多かったんです。今はそういうことがなくなり、計画的に休めるようになりました。妻と二人で出かけたり、家でゆっくりしたり、そういった当たり前のことができるようになったことがうれしいです。

困っていることや課題はありますか?

ないですね。しいていえば、体重が増えてきたことでしょうか(笑)。前は外を飛び回っていましたが、今はほぼ1日中社内にいるので、歩かなくなったんですよ。運動しないといけないなぁと思い始めているところです。幸い、勤務後や休日にやれる時間はたっぷりあるので。

転職してよかったと思うことは?

会社まで遠いという悩みが解消されたし、プライベートの時間も増えたし、よかったことばかりですよ。仕事への意欲も変わりました。前は仕事量が多く、こなすだけで精一杯。「もっとこうしたら」なんて考える余裕はなかったんです。でも今は積極的に働けています。「せなあかん」という受け身の姿勢から、「これをやろう」「もっとよくしよう」と考え、アクションを起こせるようになりました。前向きに働けるようになれたことで、気分的にも楽になりました。前は「将来どうなる?」という不安がありましたが、地元に帰れたことで人生設計もしやすくなりましたし、それも気持ちにゆとりができた理由だと思います。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

自分がなぜ転職したいのか、その理由をはっきりしておくことが大事なのかなと思います。例えば、「この問題を解決したい」ということを、箇条書きにしてみてはどうでしょう。何を解決したいから転職する、ということをはっきりさせておくと、道筋が見えてくるような気がします。リージョナルキャリア三重にも本当に感謝しています。地元ではなかなかチャンスがないところを、掘り起こしてくれましたから。リージョナルキャリア三重のサポートがなかったら今の自分はないし、今の幸せもなかったと思います。地元で転職をめざすなら、リージョナルキャリア三重のような地元に強い転職支援会社に相談するほうがいい。それは確実に言えると思います。全国的にはあまり知られていないけれど、人材を求めているいい会社が、皆さんの地元にもきっとあると思います。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
清原 和浩

初回の電話面談にて、本社勤務になった場合の通勤面の不安、奥様に負担をかけている心苦しさ、仕事に集中しきれない環境へのもどかしさと同時に、顧客サポートという仕事のやりがいについても聴かせていただき、お客様から頼られ生き生きとサポートに走り回る中村さんの姿が目に浮かびました。大起産業様からシステム管理を含めた総務部門でのニーズをお伺いしたときに、本来、希望されていなかった総務部門の求人を提案することに迷いはありましたが、会社全体のサポート部門である総務の仕事は、きっと中村さんの志向にあっているはずとの思いでご紹介しました。現在は採用業務にまで仕事の幅を拡げてご活躍中とお伺いしています。中村さんの県内Uターンの実現をお手伝いできたことを嬉しく思います。

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